
個別指導ひとすじ28年、名学館・平和堂尾西校・塾長の加藤です。
今回は、学習効率を高めるために知っておきたい“時間の使い方”をお伝えします。
入塾面談にお越し頂く方から「ウチの子、勉強してるんですけどなかなか成果が出なくて…」という相談をとても多く頂きます。
その場合、ほとんどの方が苦手科目ばかりやっています。
苦手科目ばかりやっていると、なぜ成果が出にくいのでしょうか?
そのことについて、ある調査が行われました。
苦手克服vs得意を伸ばす
アメリカのネブラスカ大学で行われた調査の結果をみてください。
「読むことが平均的な学生」と「読むことが得意な学生」のグループに分けて、速読の訓練をしました。
【調査の対象:16歳の学生1,000人、3年間】
その結果がこちら。

「平均的な学生」は約1.6倍しか伸びませんでした。(90語→150語)
その一方、「得意な学生」はなんと約8倍も伸びたのです!(350語➡2900語)
平均的な能力を伸ばそうとするよりも、強みを伸ばした方が、圧倒的に成果を出すことができますね。

平均的な学生は、訓練を積んだにも関わらず、得意な学生の訓練前にも達してません…厳しい現実ですね💦
また、最近読んだ『心理的安全性の高いチームの作り方』という本には、こう書いてありました。
いずれも、「苦手克服」より「得意を伸ばす」ことのほうが効率が良いことを示していますね。
塾生の事例①
中3S君の、1年間のテスト順位表をご覧ください。
※ 「科目別点数」を隠した状態です

ⅰテストとは、一宮市全域で行われる模擬試験のようなものです。
範囲が膨大なので、定期テストより実力がモロに出ます。
総合順位は、22位が最後に2位まで上がっています!
とても素晴らしい上がり方です。
さて、2位をゲットした時のS君は、どのような点数をとったのでしょうか?
ちなみに、S君は国語が苦手です。
それを踏まえて、点数をオープンしてみましょう。

ご覧の通り、国語以外が、強烈にアップしています!
なぜ国語以外がこんなに伸びたのでしょうか?
入塾前、Sくんは集団塾へ通っていたとの事。
その時に、どうやら苦手な国語の事をフォーカスされたようで、学習意欲が下がってしまっているように感じました。
それを踏まえ、当塾に入って頂く際、Sくんには次の事を伝えました。
◆ その代わり、他の科目を頑張れば良い
当塾では、国語の指導レベルは基礎にとどめました。
その代わり、他の科目は理解力を踏まえ、応用レベルまで指導しました。
その結果、苦手な国語は大きな変動が起きていませんが、それ以外の科目が伸びまくっています。

苦手にこだわらない事で学習意欲が上昇し、得意な科目をしっかり伸ばすことが出来ました!
塾生の事例②
社会人になったMくん。小学5年生からのご縁です。
連休帰省中に久しぶりに会いに来てくれました。

Mくんは、小学時代から国語が苦手でしたが、理系科目は好きでした。
指導していて、理系科目のセンスも感じました。
それを踏まえ、次の様な指導計画を立てました。
2 苦手な国語は、基礎を固めました。
中学生になったMくんは、苦手な国語も頑張りました。

得意科目を鍛えておくと自己肯定感が高まります。「自分はやればできるかも」と思えるようになり、苦手にも挑戦できる生徒が多いです。
高校入学後は、早くから鍛えておいた理系科目をさらにさらに伸ばし、岐阜大学・工学部に合格。
そしてなんとビックリ!
当時の岐阜大学から初、みごと「SONY本社」への入社を果たしました!!
大学3年生の時、就活前のインターンシップ(職業体験)では、書類審査で門前払い…。
それを跳ね返しての、逆転内定!!
Mくんは、こう言ってくれました。

得意を伸ばしてくれた塾長が、今の自分の礎を作ってくれました。本当にこの塾で良かった。感謝しています。

小5から知っているY君だけに、涙腺崩壊ものです!
このセリフを聞いた夜は、深酒に溺れました(笑)
ちなみに、岐阜大学・工学部の配点比率は次のとおり。

ご覧の通り、数学と理科だけで68%も占めています。
苦手な国語は、わずか7%です。
得意な科目を早くから鍛えておくことで、見事、合格を勝ち取ることが出来ました。

『国語が苦手』なことより、『数学と理科が得意』なことの方が重要ですね。
まとめ
私は今まで、個別指導をとおして1,000名以上の生徒をみてきました。
成績が上がっていく子達は、ほとんど「まず好きな科目から上がる➡ヤル気が上がる➡苦手に挑戦する」というルートを通ります。
その一方で、入塾説明にお越し頂く方々から次のようなご相談をよく頂きます。
「以前、苦手科目だけで別の塾に通ってみたが、なかなかヤル気が起きず成果も出なくて…」
塾業界全体において、特に春先に多くみられる「風物詩」です。

辛そうなお子様をみる度に、胸が痛みます…。
もちろん、生徒本人が自ら望んで「苦手科目を何とかしたい」と言う場合は、苦手科目からやって構いません。
そうでないなら、まず得意科目で自信を持たせる方が、長い目でみれば賢明です。
どうか、お子様の長所に目を向け、限られた時間を効率よく使い、まずは得意科目を伸ばしてあげて下さい!
以上、お読みいただきありがとうございました。