個別指導ひとすじ27年、塾長の加藤です。
今回は、愛知県公立入試の攻略法について、書きます。
愛知県の公立入試対策を行う場合、過去問が必須アイテムとなります。
書店で過去問を買って頂き、このブログと照らし合わせて頂くと、効果倍増です。
複数の出版社が過去問を発行していますが、オススメは「英俊社」です。
1 国語の著作権をクリアしており、問題文が全て載っている
2 英語長文や古文の全訳が載っている
3 解答用紙が別冊になっていて、使いやすい(採点もラク)
ご注意ください。
【補足】
愛知県の場合、特に理科の平均点が低めです。
理科が苦手な子にとっては『理科をどう攻略するか?』が、志望校合格のカギを握ります。
理科がどうしても苦手な方は、目次の「7」を、必ず読んで下さい。
公立入試 平均点
国語 | ||||||
2024 | 11.2 | 12.9 | 12.3 | 11.3 | 14.8 | 62.5 |
2023 | 14.8 | 11.5 | 15.2 | 12.3 | 12.7 | 66.5 |
2022A | 13.8 | 12.7 | 11.3 | 11.1 | 12.1 | 61 |
2022B | 14.9 | 13.7 | 12 | 9.9 | 11.8 | 62.3 |
・1科目22点満点×5科目=110点満点です
・平均が12点以下の科目を、赤字にしてあります
2023年はマークシート元年ということもあり、平均点が上がりましたね。
特に数学は、過去4年で最高の15.2点。
100点満点に換算すると69点なので、定期テストだとしても、高いほうです。
その反動か、2024はほぼ例年どおりに落ち着きました。
ただ、国語の難化が気になります。
この平均点を踏まえて、科目別の攻略法をみていきましょう。
国語
改めて、国語だけの平均点を、得点率と共にみてみましょう。
※2024を除く
平均点 | 得点率 | |
2023 | 14.8 | 67.3% |
2022A | 13.8 | 62.7% |
2022B | 14.9 | 67.7% |
2021A | 14.9 | 67.7% |
2021B | 14.1 | 64.1% |
2020A | 14.1 | 64.1% |
2020B | 14.2 | 64.5% |
ご覧の通り、どの年も得点率が60%を超えており、比較的、点をとりやすい科目です。
よって、国語が好きな子は、『国語で満点を狙う』という発想が必要です。
読解問題に数多くあたり、国語力を研ぎ澄ませましょう。
特に、過去問で間違えた問題の見直しをする時に、次の2点に気をつけましょう。
1 正解の根拠=本文のどこに書いてあるか?
2 誤答の根拠=なぜ自分の答えが違うのか?
これら2つが分かれば、『筆者の意見』に自分を寄せることが出来ます。
それを繰り返すだけで、読解力は向上します。
国語が苦手な子は、大問4の古典に苦しむかもしれません。
その場合は、大問1~3(現代文と漢字)で点を確保しましょう。
社会
社会だけの平均点を、得点率と共にみてみましょう。
※2024を除く
平均点 | 得点率 | |
2023 | 11.5 | 52.3% |
2022A | 12.7 | 57.7% |
2022B | 13.7 | 62.3% |
2021A | 11.6 | 52.7% |
2021B | 12.1 | 55.0% |
2020A | 12.8 | 58.2% |
2020B | 12.4 | 56.4% |
2023年と2021年Aを除き、得点率は55~62%です。
国語同様、比較的点を取りやすい科目です。
ここ数年、「資料やグラフの読み取り」の問題が増加傾向です。
ただ単に知識を詰め込むのではなく、図表やグラフを分析する能力が必要とされてきています。
過去問も含め、そういう種類の問題に数多くあたって慣れていく必要があります。
歴史が苦手な子には『歴史マンガ』と、NHKの『歴史にドキリ』をオススメします!
社会は暗記事項が多いので、かけた時間と点数をつなげやすいです。
直前期は、社会の勉強時間を増やしましょう。
歴史がどうしても苦手な子へ
入試の社会は「地理・歴史・公民」からバランスよく出題されます。
22点中、「地理・公民がそれぞれ7点」「歴史が8点」です。
歴史がどうしても苦手な子は、「地理と公民」を頑張って点を確保しましょう。
特に「公民」は中3で習ったばかり=記憶が新しい為、復習した時の学習効果が高いです。
(記憶を呼び戻しやすい)
歴史だけがどうしても苦手だったT君は、この作戦を忠実に実行してくれました。
「どうして昔の事やらないといけないの?歴史って役に立つの?」とブーブーいってましたので(笑)、この作戦を伝授しました。
作戦成功の証として、T君の入試直前・全県模試の答案をご紹介します。
ご覧の通り、地理ゾーン&公民ゾーンが満点です。
誤答は、歴史ゾーンだけ。
歴史が苦手とはいえ、基礎問題だけでもゲットすれば、このような高得点をとることが出来ます。
合計点85点は、入試に換算すると、22点中17点。
充分ですね。
他にも、同様の作戦で当日14点以上をゲットしてきた生徒が、多数いました。
何を隠そう、この作戦は中学時代の私がとったものです。
歴史が苦手だったので、地理と公民で点を稼ぎました。
歴史は、マンガで何とか乗り切りました…(汗)
数学
数学の平均点を、得点率と共にみてみましょう。
※2024を除く
平均点 | 得点率 | |
2023 | 15.2 | 69.1% |
2022A | 11.3 | 51.4% |
2022B | 12 | 54.5% |
2021A | 12 | 54.5% |
2021B | 11.8 | 53.6% |
2020A | 10.8 | 49.1% |
2020B | 9.7 | 44.1% |
年により、平均点の変動が大きいですね。
数学攻略の大原則は、「応用以外を確実にゲットする」ことです。
◆大問1すべて
◆大問3(1)←角度
これらを確実にゲットできれば、22点中、11点に届きます。
当塾では、数学が苦手な子に対し、大問1と大問3(1)のみを反復させます。
ただし、大問1に応用問題が紛れている場合があるので、要注意です。
その一方で、上位校受験者に点差をつける為の『難問』も混ざっています。
難問に限らず、「時間がかかる問題を飛ばす」ことも重要です。
◆大問3の、(2)②と(3)②
◆大問2にたまに出てくる、関数の融合問題
いずれも、難問です。
飛ばした方がいい問題について、当塾では数学が得意な子だけ、チャレンジさせています。
理科
理科の平均点を、得点率と共にみてみましょう。
※2024を除く
平均点 | 得点率 | |
2023 | 12.3 | 55.9% |
2022A | 11.1 | 50.5% |
2022B | 9.9 | 45.0% |
2021A | 11.6 | 52.7% |
2021B | 11 | 50.0% |
2020A | 10 | 45.5% |
2020B | 10.7 | 48.6% |
ご覧の通り、得点率が50%以下になる事が多く、5科の中でもっとも点がとりにくい科目です。
問題文が年々長くなってきているため、読解力が必要です。
理科が得意でも、読解力に不安があると「何を問われているか?」を読み取るのに時間がかかり、実力を発揮できないケースがあります。
【重要】 理科がどうしても苦手な子へ
※理科が得意な子は読み飛ばしてください。
冒頭にも書いた通り、理科が苦手な子にとって『理科にどう向き合うか?』が、合否の分かれ目となります。
理科は、大きく分けて4分野に分かれています。
化学…物質・反応・イオンなど
生物…植物・動物・遺伝・生態など
地学…地層・天気・天体など
この4分野が、愛知県の入試でどういう比率で出題されているか、みてみましょう。
ご覧の通り、4分野から均等に出題されます。
この中の「物理・化学」は難問が多く、計算やグラフが絡むと、正答率が下がります。
特に「物理」はもっとも理系色が強い単元で、難問が多く、点数をとりづらいです。
愛知県の公立入試だと、大問4の(1)~(4)が物理ですね。
あと、大問1か大問6のどこかに、小問として1問だけ物理が混ざります。
一方、「生物・地学」は暗記で対応できる内容が多いです。
よって、理科が苦手な子は「生物・地学」でいかに点をとるか?が、重要です。
生物と地学だけで、22点中11点を占めます。
あと、「物理・化学」の中にも計算不要な知識問題が混ざっていますので、そこで地道に加点していきましょう。
「大問3=化学」の(1)と(2)
「大問4=物理」の(1)と(2)
…は比較的ゲットしやすいです。
過去の経験上、理科嫌いな子が物理分野にこだわり過ぎると、ロクなことがありません。
物理にかける時間を他の科目に回した方が、5科目の総得点は上げやすいです。
5科目トータルでみると、物理はたったの5%!
わずか5%の単元に、時間をかけ過ぎるのは危険です。
私も、中学生時代は物理に苦しみました(苦笑)
ちなみに、高校で文系に進む場合、基本的に物理は高1でオサラバです。
文系にいく子は、安心してください。
英語
英語の平均点を、得点率と共にみてみましょう。
※2024を除く
平均点 | 得点率 | |
2023 | 12.7 | 57.7% |
2022A | 12.1 | 55.0% |
2022B | 11.8 | 53.6% |
2021A | 12.2 | 55.5% |
2021B | 11.8 | 53.6% |
2020A | 10.9 | 49.5% |
2020B | 10.8 | 49.1% |
2021年以降は、安定して得点率50%を超えています。
2023年からマークシートになり、出題形式が少し変わりました。
2023年を元に、ゲットしたい問題をみていきましょう。
◆リスニング(5問中、最低3問!)
◆大問2(3問)
◆大問3の(1)
◆大問4の(1)&(2)
◆大問5の(1)&(2)
これだけで、22点中11点に届きます。
特にリスニングはパターンが決まっているので、慣れれば得点源になります。
音声を聞き込むのは勿論のこと、台本をみながら『筆記問題』として練習しておくのも良いでしょう。
当塾では、英語が特に苦手な生徒に対し、リスニングの台本を見ながら筆記問題として解かせ、パターンに慣れさせていきます。
「大問4の長文」&「大問5の会話文」は、読解力が必要です。
「国語は得意だけど、英語は…」という子は、単語&熟語の勉強に力を注ぎましょう。
読解力が備わっている子は、単語力を上げると英語が国語に変わり、正答率が一気に上がります。
まとめ&超オススメ教材
自分の得意・不得意に合わせ、各科目の攻略法を参考にしてください。
最後に、過去問をやっても点がなかなか取れない子に、とっておきの市販教材を紹介します。
1科目 990円
英・数・国・理・社
過去問で点が取れていない場合、学力に対し問題が難しすぎる可能性があります。
難しすぎる問題ばかりやっていても、学力は上がりません。
ご紹介した「落とせない入試問題」は、正答率50%以上の問題だけを集めた教材です。
さすが旺文社様、いい教材をお作りになる!!
苦手科目は過去問&この教材を併用し、「落とせない問題を確実にゲットする力」を養っていきましょう!
当塾では、最後の1ヶ月はこの教材を積極的にオススメしています。
理科が大の苦手だったKさんは、最初のうち、過去問をやっても5~6点しかとれませんでした。
しかし、この教材を3周やって入試に臨んだところ、本番で14点をゲットしました!
以上、お読みいただきありがとうございました。
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